1994年に発表されたカサブランカですが、その翌年となる95年に新たに加えられたモデルが「カサブランカ・クロノグラフ」です。LEMANIA(レマニア)社製cal:1872の手巻きクロノグラフムーブメントをベースに、フランク ミュラー社による独自のチューンナップが施されています。 現在、既に生産中止となった5850カサブランカ・クロノグラフは、当時よりその殆どがステンレススティールによって製作されていた為、中でも本品のような18Kモデルは極少数であり、現在となっては滅多にお目にかかれない稀少な個体となっています。最終工程のエナメル仕上げをあえて省く事で、紫外線などの影響による文字盤の経年変化が周到に計算され、持主が使用する程に、更にエイジングをもって雰囲気を増す、カサブランカのスペシャルバージョンとなっています。こちらのモデル特有となる小振りな丸型のプッシュボタンは、クラシカルな夜光文字のツーカウンタークロノのデザインバランスを完璧なものとしています。カサブランカ本来のステンレス製ではない18Kケースの中でも数が少ないホワイトゴールドにサーモンブルーの文字盤、黒色で描かれたビザン数字のインデックスには古い時代の旅の始まりを想起させます。そしてそれらは時代を経ることによってさらに上品に変化していくことでしょう。
ケースと尾錠には新品同様の仕上げが施され、趣を際立たせるカーフストラップは新品に取り替え済みです。
