
イレギュラー レトログラードアワーは、人が、幸せで楽しいときには時の流れが短く、また、退屈なときには時間が止まっているかのように長く感じられることにインスピレーションを得ています。複雑機構であるレトログラードを装備し、1日の時の流れを、変則的な等間隔ではない時針の動き方で表現することで、有意義な時の過ごし方を提案しているのです。レトログラードとは、針の動きが周回ではなく、扇状に動き、扇状の目盛りのエンドまで到達すると瞬時に戻り、再び、時間の表示を開始し続ける機構です。もともとは、フランスの天文用語で惑星の逆行などを意味した言葉ですが、つねに後戻りすることのない時の流れに対して、針を瞬時に逆戻り(フライバック)させ、帰らざる"時の尊さ"を表現し、時間の概念に哲学的意味合いを持たせています。このイレギュラー レトログラードアワーは、具体的には、早朝7時から8時までのブレックファーストタイム、12時から2時までのランチタイム、夕刻の6時から7時までがスローリーゾーンとして設定されています。大切な人と過ごすバラ色の時間だけが、少しでも長く続くようにという願いを、フランク ミュラーが叶えてくれたのです。