~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
200年前に考案されたメカニズムを最新技術と新素材を用いて完成させた コンキスタドール・グランプリ トゥールビヨンです。機械式時計は1920年代からクォーツが登場する1969年まで、精度と耐久性に主眼を置く実用品でした。ごく一部の高級ブランドの作品を除いて複雑時計といえばクロノグラフやアラームなどのメカニズムが主で、トゥールビヨンなどはコンクールに出品されるぐらいの稀有な存在でした。しかし80年代以降は科学技術の進歩によりトゥールビヨンをはじめとする過去の高級懐中時計に組み込まれていた複雑機構が次々と小型化され腕時計に姿をかえていきます。その先駆者の一人が若き日のフランク ミュラーの台頭となります。
それでも一つの複雑機構を小型化するにも高度な技術と経験を要する為、一部の高級時計メーカーも製作には大変だった時代、フランク ミュラーはその複雑機構を2個以上組み合わせてワールド・レコードを毎年のように発表します。年を追うごとに自分自身の過去を塗り変える作品を発表し、過去の自分への挑戦の連続でした。
しかし2000年を過ぎると実用性の対極にある「遊び」の部分で複雑化を推し進めます。針が変則的にジャンプして時間の価値観を再考させるクレイジーアワーズや時間そのものを制止させたシークレットアワーズなど、時計が自らの存在意義を問うアートを発表します。
その中でもトゥールビヨンの作品の数々は、技巧に技巧を凝らし、姿勢差補正という本来の機能を離れた"機械の芸術"へと進化させ、特にフライングトゥールビヨンは、クレイジーアワーズなど様々なモデルと共演し、2000年以降のフランク ミュラーを代表するトゥールビヨンとなっています。
90年代の代表的なインペリアルトゥールビヨンはノスタルジー溢れる作風でしたが、今回のコンキスドールグランプリでは、今までの特徴的なビザン数字ではなく太いアラビア数字を採用しエレガントさよりも武骨さを際立たせ、F1マシンや航空機に用いられる軽量で強靭な新素材の"エルガ"で機械を包み込む設計は、どこかイージス艦にも似た重厚感と勇ましい高揚感の溢れる作品になっています。
機械内部にあるトゥールビヨン回転部分のFMマークはブラックコーティングされ、60秒で一回転しているのが分かりやすいように三角形の印が手作業で盛り付けられています。背面からは幾何学的に削り出されたムーブメントを確認することができ、美しい面取りやエングレービング、縦軸状に綺麗に配列された大きなルビーの軸受けが唯ならぬ力強い存在感を発しています。
機械式時計の最高峰として君臨するトゥールビヨンは、持つ人に時間を刻む機構の心臓部をさらけ出し、まるで鼓動を打つ生き物のように動く様子は、小さいながらも機械仕掛の奥深い世界が広がります。
軽量で付け心地も良く、古典的な技術を鋭く研ぎ澄ました佇まいは過去へのノスタルジーの面影はなく、今なお進化し続けるテクノロジーてあることを証明する芸術作品がここに完成しています。
※トゥールビヨンとは、精度の誤差を少なくするために200年前に故ブレゲが考案した機構。時計内部の機械(脱進器全体)を回転させ、脱進機にかかる負荷を均等に分散させることで精度の誤差を抑える技法。
参考定価 | ¥0Tax in |
---|---|
製造年 | - |
素材 | その他 |
ムーブメント | 手巻き |
ダイアルカラー | レイヤー構造(ヌーベルバーグギョーシェ:ホワイト インデックス:ブラック) |
ベルト | シャークスキンストラップ |
防水 | 5気圧防水 |
サイズ | 縦:62.70mm×横:42mm ベルト幅:24mm 厚み:15.74mm |
付属品・備考 | PAW保証書、取扱説明書、BOX ※ご覧の商品は東京店、大阪店、名古屋店のいずれかの店舗で展示、販売中でございます。お越しいただく店舗にない場合はお取寄せも可能ですので、ご来店の際は事前にお申し付けください。 |