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フランク・ミュラー ブランド創成期のオリジナルカーベックスシェイプ "2851S6 Blue Dial"です。今から30年前になる1986年、当時28歳のフランク・ミュラーは初めてこの"トノウ・カーベックス"の腕時計を製作しました。わずか15歳で、ジュネーブの時計学校で時計という極小機械に取り組み、すぐさまその並はずれた才能を開花させ、18歳の時には自身のオリジナル・デザインによる時計を完成させました。
そして20歳を過ぎる頃には個人収集家や公共の博物館の収蔵品の修理を引き受け、自らの腕を磨きながら腕時計のすべてを学びとっていたある日、彼の時計に執心なコレクターのその奥さんから、『女性にも付けられる時計をデザインして欲しい』との依頼を受けました。それまで男性向けのコンプリケーションばかりを製作していた彼は、女性が身につけても美しい曲線的な腕時計を作ろうと考えたのです。そうして生まれた"トノウ・カーベックス"は、イタリアのビチェンツァで開催されたエキスポに出品したことがきっかけとなり多くの人の目を釘付けにしました。何故ならこれ程までに大振りで且つ3次元に湾曲した腕時計をそれまで誰も目にした事がなかったからです。
そして日本の我々が初めて"トノウ・カーベックス"を見た時も、やはり同様の違和感に似た感動を憶えたものです。その"違和感"はいったいどこから湧いてくるのか、それは腕時計という人間が作った人工物というより、むしろ"自然物"としてあるもののバランスに似ているからかもしれません。すべてのラインが曲線のみで構成され、放射状にデフォルメされたビザン数字のダイアルは、大胆でありながら繊細な美しさがあり、まるでたった今溶け出したかのように手首に吸い付くように巻きこみ、不思議に何か動物的な官能を感じさせました。
このモデルは1994年の会社設立初期に製作されたもので、86年にミュラー氏が初めて考案したオリジナルカーベックスシェイプです。現行のモデルよりも細長いシェイプとなり、裏蓋を止めるビスの位置が異なり、ベルトの付け根となるエンドピースの裏側から固定する方式が取られています。
そしてこの時計の文字盤は美しいブルーエナメルバージョンとなっています。スイス伝統工芸のひとつであるエナメル細工は、古くからネックレスやブローチといったあらゆる高級装飾品に施されていた技法でしたが、時計の場合ケースやケースバックへの装飾が一般的でしたが、フランク・ミュラーは大胆にも文字盤にその技法を用いています。金属の文字盤板にサンレイバースト(日輪模様)の波形模様が彫り込まれ、その上にガラス質の釉薬(ゆうやく)を塗って焼き付けますが、焼き付けた上からまた釉薬を塗って焼き、さらにまた塗り重ねる工程をなんと11回も繰り返して作られています。光を当ててみると半透明のガラス質の下に浮び上がる放射する波模様の陰影が浮かび上がります。更にそのガラス質の表面に描かれた金色のビザン数字の上を、鋭く磨かれた金のスペード針がゆっくりと回る様は、まさに中世ヨーロッパの文化を凝縮したかのような、怪しくも儚げなまでの美しさです。
ケースは新品同様の仕上げが施されています。
参考定価 | ¥0Tax in |
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製造年 | - |
素材 | 18Kホワイトゴールド |
ムーブメント | 自動巻き |
ダイアルカラー | ブルー エナメル ビザン |
ベルト | クロコダイルストラップ(お色はお選びいただけます) |
防水 | 日常生活防水 |
サイズ | 縦:45mm×横:30mm ベルト幅:16mm |
付属品・備考 | PAW保証書、取扱説明書、BOX ※ご覧の商品は東京店、大阪店のいずれかの店舗で展示、販売中でございます。お越しいただく店舗にない場合はお取寄せも可能ですので、ご来店の際は事前にお申し付けください。 |